会長挨拶

 新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 令和6年度は精神保健福祉改正により退院後生活環境相談員の権利擁護の役割がより高く求められるほか、障害者総合支援法、障害者雇用促進法などの改正が決まっています。私たちが精神保健福祉士として、精神障がいをもつ方々が地域で自分らしく暮らしていくための援助、かかわりについて、新たな実践につなげる機会にしたいものです。詳しい内容は本年の研修会でもテーマとして取り上げていく予定です。

 さて、話は変わりますが、我が家の黒柴犬『寿』は元日で満2歳となります。『柴犬は人気があるけど飼うのが難しい犬種』ということを知らずに飼い始めた我が家だったのですが、昨年よりも大人になったなあと日々成長を感じているところです。これまで息子や娘に噛みつき傷付けてしまうため悩んだあげく、ドッグトレーナーさんに相談しました。犬の習性や感じていることを気づかず理解しないまま人間の価値観、勝手な思い込みで躾をしていた間違いに気づき、反省すること数知れず…。飼い主も共に成長することで飼い犬も成長することを今も学んでいます。人は人、犬は犬で同列にはできませんが、犬と共に暮らす生活を通じて、ワーカークライエント関係を振り返るヒントも含まれている気がしてなりません。関係構築の困難さが課題となるクライエントにかかわる機会が少なくない私たち精神保健福祉士は、クライエントを理解するために、どんな言葉や態度を受け止め語りかけ、かかわりの糸口を掴み関係づくりを重ねていくのか日々悩みながら援助を展開しているはずです。それには時間もかかりますし、粘り強くかかわり続けていく胆力も必要です。そのためには自身の実践の積み重ねや自分を振り返は欠かせません。ドッグトレーニングでは普段の犬とのかかわりを聴き取ってもらい、基本に立ち返りながら飼い主の実際の犬への接し方、散歩の仕方等を通じて一緒に見直してもらっています。毎回、犬への理解が深まり、飼い主としての新たな気きを得ています。その意味では、ドッグトレーナーさんは我が家のバイザーさんでもあります。

 

 今年もスーパービジョンをテーマにした研修会も企画されると思います。会員の皆さんの精神保健福祉士としての成長につながる機会となることでしょう。是非、参加してみてください。そして、今年も当会活動を一緒に盛り上げていっていただければ幸いです。         

令和6年1月

会長 土田 滋